見慣れたガラス窓に貼られた白いテープ。
"Fanciful Sketch"の可愛らしい文字。
通いなれた道を歩き、今日も今日とて右手で戸を開ける。
店内の赤いカーペットを踏んだ際に靴紐が解けている事に気付いた。
その場にしゃがみ、お気に入りのジャケットの裾が床におりる。
まだまだ若い、伯父に貰った靴。つま先が少し汚れてきたが、まだまだ現役だ。
紐を結び終え、腰を上げる。と、目の前の扉に手を伸ばした。
二枚目の扉を引き、最近習慣になりつつある挨拶を口にした。
「ちわ〜。また来たよ・・・・って」
「あっ、アンタ・・・・!」
今日は、実に面倒臭い物語になりそうだ。
‡=‡
「何で来たの」
「・・・・いや、何でって言われても」
「帰って」
「・・・・コーヒー一杯」
「―――最初からそう言いなさいよ」
肩身を狭くしながら、カウンターの椅子に腰を下ろす。
・・・相変わらずだ。
「ん、コーヒー」
「あっ、・・・有難うございます」
乱暴にカップに注がれたコーヒーを、又も乱暴に僕の目の前に置く。
「なんで敬語なのよ」
ムスッとした顔で、腕組みをして聞かれた。
・・・何でって言っても・・・・。
「・・・なんとなく?」
僕の一言に、腕組み少女の眉が上がった。
「・・・煮え切らないわね・・・」
イライラと眼光を鋭くする。
「―――えと、まぁまぁ。そんなに眉を寄せると、皺が出来ちゃうぞ?な、カフェ娘?」
カフェ娘。"かふぇむすめ"ではない。"かふぇこ"と読む。我が友人のHIROさんのブログの看板娘。綺麗に整った薄茶色のセミロングの頭髪。お茶子よりも小柄なものの、キリッとした眼つき。
たしか、この喫茶店の主戦力だとか。お茶子が笑顔と共に楽しそうに仕事をするなら、カフェ娘はキリッとした美貌と共に優雅に仕事をする。
・・・でも、しかし。
見るから明らかに・・・・僕等より遥かに子供なんだよな。
「・・・・っふ。貴方と話しても埒が明かない。で、何?何で来たの?」
表情を一転、無表情の仕事顔に変え、椅子に座る僕を見下げるように聞いてきた。
よく手入れされた髪がサラリと肩から下がる。
「あのさ、お茶子は?」
「お茶子さん?・・・今日は休みだよ」
別段、考える様子もなくすぐさま答えたカフェ娘。
しかし、僕の用事がお茶子にあると判るに、一瞬だけ落胆の表情らしき物を浮かべた。
だが、その表情はまばたきをする間に掻き消えてしまう。
「そうなのか。・・・・まぁ、いいや」
僕は調子を一変して、カップに口をつける。
「・・・・・・・」
一口、動きが止まる。
「何?不味かった?」
不機嫌そうに語尾を強めて、目の敵のように聞くカフェ娘。
それに、僕は首を横に振って答え、
「いや、美味しいよ」
少し笑って、言ってみた。
「そう」
ひょうひょうとそれだけ言って、カフェ娘はカウンターの奥に消えた。
・・・ありゃ。失敗?
――――HIROみたいには上手くいかないか・・・・。
第一、カフェ娘に気に入られるよう物なら、・・・・HIROに背後から刺されるな。確実に。
「あぁ、暇だ・・・・お金は無いからゲーセンには行けないし・・・小説更新は中々上手くいかないし、絵も上手くいかないし・・・・はぁ〜。何すればいいんだよ・・・・」
「勉強すれば」
カウンターの置くに消えていた、カフェ娘が戻ってきた。
・・・・相変わらず、表情は固いが。
「勉強・・・ね。専門校だし、学校でしてれば十分なんだけど・・・それじゃぁ、学年1位は無理だし・・・」
「学年1位?・・・・そう言う貴方は何位なのよ」
「2位」
「2位!?・・・・・・・・・はぁ、HIROにも見習ってもらいたいわ」
よほど驚いたのか、首を振り、深い溜息の様なものを吐いた。・・・・たしかに、HIROは少し"もったいない"部分があるからなぁ。
「あははは、2位って言ってもさ、学校のテストが簡単なんだよ。他の高校より比べて、遥かに授業スピードが遅いし、宿題も無い。勉強に黙殺される事無く遊べるよ。・・・まぁ、変わりに3Kmも海を泳がされたり、船の上で2ヶ月間も生活しなくちゃいけないけどね」
本当・・・体力面では結構キツい。
僕が特別ショボイだけだけど。
「でも・・・それはそれで凄い事じゃないの?」
何処からか椅子を引いてきて、カウンターの向こう側に向かい合って座る。
彼女の小柄な体が隠れ、細い肩と首、頭が浮かぶようにカウンターの上にもたれた。
「いや・・・言っちゃ悪いけど、"出来る事"なのに、出来てない・・・それが少し、悔しいんだよね。もっと頑張れば、1位だって取れそうなんだよ。・・・相手は部活もやってるのにさ。僕は半分以上、辞めてるよ」
「部活は辞めたの?」
「いや、退部届けを貰おうとして、"暇な時に来い"って言われて、行ってない。・・・・本当は文芸同好会を作りたいんだけど・・・・・顧問になってくれる先生が居ないし、部員候補も集まらない。・・・・何より、僕が僕だから・・・ね」
下らない。本当に下らない話だ。
僕は口だけが達者で、目標は広大だ。・・・大きい目標を前にして進もうともしない。・・・・・面倒臭がり。そして、同情を誘おうと他人に事を話す。
自己嫌悪。そうして、こう文章にしている事に嫌悪。
僕が努力してないだけなのに。口だけが早い。達者。無知、無力。
・・・あぁ、本当は同情じゃなくて叱責が欲しいんじゃないかな〜と客観的に思う。
コーヒーの注がれたカップを眺め、思考を巡らす。
いつもの無駄な思考。行動した方が早いと言うのに。
判っているが、面倒臭いから動かない。行動しない。
いつもの事。いつもの事。
「そう」
カフェ娘はそれだけ言って自分のグラスにアイスカフェ・オレを淹れていた。
そして・・・・・
「相手の考えている事は判らない。人の思考を読むことは出来ない。表情で読むことが出来るのは表のみ。心を読むには長い間そばに居なくてはいけない。・・・しかし、長い間そばにいたとしても、本当に相手の心を理解しているかどうかは、定かではない。つまり・・・」
カップの中に満たされたカフェ・オレを、目を細くして眺める。
「私はお前の本当に考えてる事は判らない。・・・貴方の事を本当の意味で判るのは家族でも彼女でも恋人でもない・・・貴方自身なの」
細まれた目蓋の奥の薄い黒の瞳。
まだ子供の薄い唇がグラスの薄い硝子に触れる。
「ただ・・・・"判る"事と"理解"する事は違う。貴方は自分自身のことを全然理解できていないだけだ。・・・いつか、貴方の事を1番に理解してくれる人が出来るといいわね」
ある種の衝撃。衝動。そして、内面に響く笑声
想像してさえ居なかった、カフェ娘の言の葉。
深い思想。・・・見た目にそぐわない深く深い彼女の心。
―――普段、彼女は何を考え、何を学んでいるのか。
―――少し、興味が出た。
「カフェ娘、お前―――」
――――リン
全ての音を掻き消す、しかし澄み切ったベルの音が響いた。
「・・・あっ、交代だ。じゃぁね。後は緋衣子さんが相手してくれるよ。サボリ魔のHIROをヨロシク。・・・私が何言っても聞かないんだ、アイツ」
HIROの時のみ笑みを浮かべるカフェ娘。
彼女は制服の上を脱ぎつつカウンターの置くに消えた。
そして、そのまま外に出て行くのが気配で判った。
‡†‡
「・・・あら、来てたの?久しぶりね」
入れ違いで入ってきたココの店長 緋衣子。
短髪にピンで留められた前髪。清潔感が溢れている。
「何、また暇でも持て余してココに行き着いたわけ?」
白いシャツに上から制服を着て、すぐにお盆片手にテキパキとテーブルの準備を始める。
「・・・・今日は随分と静かね。何かあった?」
「緋衣子さん」
「ん、何かな?」
緋衣子はテーブルクロスを引き、花瓶を並べる手を止めた。
「カフェ娘って・・・深いですね」
僕の真面目な表情に、緋衣子は笑みを浮かべた。
「でしょ。だからあの子を雇ったのよ。ただの可愛いだけの子じゃ、ウチの店は勤まらないから」
そうして、緋衣子さんは両手を後ろに回し、普段からは想像出来ないほどの、子供っぽい笑顔を浮かべるのだった。
何かに行き詰った時、思考に沈む事も時にはいい。
欝にならない程度にネガティブに。
時には自分を苛める事も心地よい。
そこから見出せる事があるなら、それは何だろう?
友の大切さかもしれないし、命の大切さまで行き着くかもしれない。
取り留めの無い思考で時間を潰すのはいささか時間が勿体無いような気もするが・・・・何かの足しにはなるだろう。
思考を文章にして、形にして、理解する。
自分の客観的な部分と自分の主観的な部分。
他者が触れて、それを少しでも理解、もしくは面白いと感じてもらえると、コチラも嬉しい。
その為の簡素な喫茶店。
暇すぎだから。
今日もココで取り留めの無いを思考をして過ごす。
明日は何がしたくなるのだろう。
そんな今日の簡素な喫茶店

ランキングの一押しのお蔭で、明日も結構頑張れる。
「・・・・で、どうしてそんなの作ったんですか?」
「―――いや、だって暇だったから」
静かな喫茶店。立ち並ぶテーブルとイス。
鼻孔をコーヒーの匂いが刺激し、ふと、空腹だと言う事を思い出させた。
「またそんな事言って・・・。どうせ、"Worldly Phantomが書けない"とか何かで行き詰ってたんじゃないですか?」
目の前のカウンターでグラスを洗う女性の一言に、僕は苦笑して困る事しか出来無かった。
「・・・あたり。でも、まぁ・・・行き詰った時にでも"それ"を更新すればいいさ。気分転換にもなるし」
「その度にお店に来られるのは少し迷惑です」
グラスを洗い終えた女性が口先を尖らせて、不満の表情を作った。
「いいじゃん、ちゃんと注文してるし」
「・・・そうですけど、コーヒー一杯だけですよ?」
「あはは。・・・学生さんのふところは寂しい物ですよ・・・」
妙に薄いサイフをゲームのカードやポイントカードで厚くしている空しさ。・・・そりゃ、金があればケーキぐらい頼むよ。
あ・れ・ば、の話だけど。
「どうせ、下らない小説を買ったか音ゲーのやり過ぎでしょ?」
あはは・・・っと今度こそ、心底苦笑するしか無かった。
"下らない"は言いすぎだと思うけど。
どちらかと言うと、お前はその"下らない"方の小説に出そうだけどな。
しかも――――脇役として。
「今、なにか失礼な事を考えていませんでしたか?レンさん」
「い、いや。何も・・・(こんな時は都合良くピン!と来るんだから…)」
訝しげコチラを見た女性に、僕は目を合わせないようにして答えた。
チビチビと飲んでいたコーヒーも、後もう少しだ。カップから伝わる温もりの、もうあと少し。
・・・完全に冷めた物より、ぬるいコーヒーの方が美味しくないのだ。僕的に。
残り少しのコーヒーを一気に飲み干す。
程よい温かさの液体が、苦みと共に喉を通り抜けた。
・・・口の中に渋い後味が残る。
「お茶子、コーヒーおかわり」
どこからかモップを持ってきた女性に、カップを持ち上げコーヒーのおかわりを要求した。
「ダメです」
だが、床掃除を始めた彼女は床の木目を見ながら即答する。
「・・・喫茶店ではコーヒーのおかわりが無料なのが常識だろ」
「私達の店では取るんです」
「何で」
「緋衣子さんに聞いてください」
「そんな設定を作った覚えは無いぞ!?」
「設定、設定、そんな冷めた事言わないでください!」
木目にそってモップを走らせるお茶子。
何処ぞのバーテンダーの制服を模倣した服で身を包み、橙色のリボンで纏められた髪が、細い肩に触れて上下に元気に跳ねる。
「・・・・・・・」
我がブログの副管理人兼看板娘の異名を持つ彼女を見て、僕はあからさまに嫌な顔をした。
・・・最初は素直な子だったのに、お茶子は今では喫茶店の仕事が板に付いたのか、サバサバと一人歩きを始めた。
気付けばこの、「Fanciful Sketch」の店員を務め、他の後輩達に指導を出来るほどになっていた。
だから、久しぶりに来てもいつのまにかこの対応。・・・子供が出来て、成長したらこんな感じに距離を置かれるのかな?と僕は想像してみる。
最初こそ、ちんまりとしていた喫茶店だったが、今では沢山のお客を迎えられるほどの大きさに成長した。・・・まぁ、このお店が成長をするのは、経済的に増築している訳ではなく、単純に僕が創造する世界が増えてきているからなのだが。
そして、それなのに対して、僕しか客がいない理由は、朝から昼にかけてここにくる常連さん達が何かに巻き込まれたり、何かと戦っていて忙しい為だ。
その重要なイベント、もしくは戦闘が終われば、物語と物語の節目にフラリと集まり特別な力も地位も世界も関係なく、ドンチャン騒ぎで騒ぐ・・・
一種の憩いの場として時間と場所を提供しているのがココ、Fanciful Sketch。
たぶん、意味はお判りだが『幻想の下絵』とか『幻想的な写生』になっている。
人目につかないラフスケッチのように、"幻想的な取り合わせや出来事、夢物語やありえない事"の下絵を起こす所なのだ。
‡=‡
「それで、今、ココであった事をつらつらとブログで更新するんですか?」
「そうそう。僕の考えも、意見も、今後の予定も含めてね。なんだかさ、小説でも日記でもただの娯楽でもない物語になりそうじゃない?」
「たしか・・・・本当は"キャラアイコン"を作って、それでキャラクター対談みたいな事をやりたかったんですよね?」
・・・・うっ、こいつめ、古い話題を掘り出しやがって・・・。
「パソコンを借りてる身分以上、そんなパソコンの要領を喰ってしまうような事は出来ないから・・・・・諦めたんでしたけ?」
しかも、まだ誰にも言っていない裏事情をばらしやがって!
「・・・残念ですね」
お茶子が少し、残念そうに頭を下げた。
「レンさん、全然貯金出来ませんから。今日なんて放課後に"アクエリアンエ―――」
「馬鹿!それ以上言うな!耳に痛いから言うな!!」
無駄使いのし過ぎで、パソコンが遠のく。・・・漫画さえ買えないココ最近の金銭状況。
――――"お小遣い帳"をつけないと春休み・・・本当にヤバイな。
「それはGOODアイデアですレンさん!」
パンと両手の平を合わせて叩き、あからさまに判る作り笑いを浮かべるお茶子。
・・・・"あからさまに判る"作り笑いを浮かべるのが、嫌がらせ。
・・・・どうせなら、判らないように浮かべて。作り笑い。
「で、どうして私は、レンさんの事、"レンさん"って呼んでるんですか?」
今更な話。
「シンヤってHNが結構居るのと、そろそろ改名する予定だから。でも、改名しても"レン"だけは変わらないから。だから、"レンさん"。なんでさん付けなのかは、設定上僕の方が年上で、僕自身そう呼ばれたいと言う願望が―――」
"はいはい、ストップ。つまらない話はよそうぜ、マイスター"と無言で告げるお茶子の目線に僕は仕方が無く語尾をすぼめ・・・・最後には自然消滅した。
「・・・・呼び方変えます。"レン"ってのはカッコよすぎるから連t―――」
「ストープッ!!!本名だから!本名出しちゃダメだから!!!」
「・・・ところで、改名後の名前は?」
「あっ!話が戻った!えと、一様"夙夜 連"になる予定」
「うわっ・・・・また無駄にカッコつけて・・・」
あきらかに後ず去るような対応を見せたお茶子。
―――たしかに思うよ、僕も。
「・・・そろそろPNも意識した方がいいかなと思ったんだよ。蛇足だけど"夙夜(しゅくや)"の意味は"朝から晩まで一日中"だから」
「そんなのを意識する前に、さっさと小説を更新すればいいのに」
「・・・・・・・まったくです」
‡†‡
「・・・お茶子、ほら、手を出せ」
「―――何ですか?こ、これは!?」
「お前の好きな苺味の飴だ。ほら、ココア味もコーヒー味もあるぞ・・・!」
掃除を終えたお茶子がゆっくりと僕の指先に下がる飴に近づいてくる・・・。
「ほら、コレをやるからコーヒーを淹れるんだ・・・!生憎、僕は専門的な淹れ方をしらないんだ・・・!!」
飴に目を奪われ、お茶子の(ある程度の)自我が失われた時だった。
―――来客が来た。
―――割と凄い勢いで。
「――――先輩〜〜〜〜〜!!」
――――"客"と呼ぶには少し違かったが。
「先輩!!」
店の入り口から凄い勢いで走り寄ってきた子。
お茶子の背後で急停止して、手を後ろから回してお茶子に抱きついた。
僕の手に下がった飴を取ろうとする直前でガクンと止まり、飴を目の前にしてお茶子の意識が戻った。
・・・チッ後ちょっとだったのに。
「先輩ぃ〜」
「・・・・桜子ちゃん?」
ネコアルクさんのサイトの看板娘、桜子だった。
桜子は唯ひたすら後ろからお茶子の体を抱き、それにお茶子は腰を捻って眺めるしかなかった。
・・・知らない人のほうが多いだろうから、一様説明。
桜子。我が友人のケータイサイトの看板娘。
僕が勝手に作って、いつの間にか定着したキャラ。
「先輩、私・・・・私・・・・あの馬鹿ネコに捨てられた!」
「捨てられた!?・・・馬鹿ネコって言うと―――ルーバさんだよね?」
HNネコアルク。又の名はルーバ。とある事件が切っ掛けでHNを改名しなくてはならなくなった可哀想なOFF友。
"ネコアルク"では著作権に引っかかる言うのに、好んで使う。
"霧雨 真宵"の考案者にして、京都と京弁、着物スキーな・・・仲間。
飴を物欲しそうに眺めていたお茶子だったが、可愛い後輩の為に何か飲み物を入れるためにカウンターに戻った。
これまで僕が座っていた席に座る桜子。
桜子に熱々の緑茶を淹れ、何があったの?と優しくお茶子は切り出した。
「・・・あの馬鹿ネコ最近私に冷たいし、目もくれないし、家に帰ってもゲームばっかりしてるし、ケータイのサイトも最近更新しないし、私が話しかけても"・・・うん"としか言わないし・・・・。しかも、この前なんか!私、聞いたんですよ!?そこの人とネコアルクが喋ってる時・・・「桜子、どうするの?」ってそこの男の人が言って、馬鹿ネコが「どうでもいい」って!!泣いていいですか!?泣きますよ!・・・・しかも、真宵にデレデレしすぎなんだよ!!」
しょぼくれた暗い表情が一転、ウルウルと今にも泣きそうな表情に。そして、さらに一転したかと思うと、激烈に怒り出した。
あぁ・・・この子も古い話題を・・・・。なんと言うか、ドンマイだよ。第一、僕ほど1つ1つのキャラに愛着が湧いて、物語から消す事が出来ない人の方が珍しいと思うよ。
<シンヤの小説の登場キャラクター増加中!>
まぁ、記憶は擦り切れていく物だから。
"桜子"もそれの一つ。一人のキャラだった・・・という事―――
「なっとく出来るか!!」
鉄拳が飛んだ。
モロに喰らった。
冗談では済まされない程痛い。
そして、そんな事を書いている自分がイタい。
「何とかしろよ!馬鹿ネコの友達だろ!?」
「うげっ、えぐっ!く、首が絞まって――!」
「さ、桜子ちゃん!落ち着いて!?レンさんが〜!」
暴走した桜子に首を絞められて意識が落ちかけた僕をお茶子がギリギリの所で救った。
「なんとかしてよ!!」
ある意味、どうにも出来そうで、出来そうではない出来事に僕は苦笑する事が出来ず、内心春休みの間どうやって馬鹿ネコを苛める算段を立てていた。
桜子が最後にポツリ、"・・・頑張って京弁を覚えたのに"と呟いた。
僕にはどうにも出来ないわけで。
これは架空の物語ながら、ココに書いた時点で"存在"している為に彼女等は存在する。
どこかの映画の妖精さんと一緒だ。"信じないと消えてしまう、儚い存在"。
その映画のように、僕等はずっと子供のままではいられないけど。
少しぐらい着色して、ありえない話にして、面白おかしく日常を書くのもいいじゃないか。
たったそれだけで、物語として成立し、稼動するのだから。
そーゆー意味では。
僕等が生きている限り、自分自身が主人公で。
そして、物語を作る重要な人物ではないだろうか?
"脇役"なんて居ない。
僕が書く小説では、スポットライトを当てる事さえ出来れば、誰もが主役だ。
ライトを当てるのは、誰かの要望か、僕の気まぐれか。
それは判らないけども、自分の物語は自分自身が主人公だ。
ただこれは。
突然に始まった、管理人を取り巻く環境と空想の入り混じった物語。
少しでも管理人が近い存在と認識してくれればいいです。
一人の為に、小説家は小説を書く・・・・。
そんな素敵な事を誰かが言っていたっけ?
その一人の要望、コメントを聞くために管理人はいて、そしてその人の為に小説を書いている。
決して、自己満足ではないよ。
一様、読み手にいろいろと欲しがっているんだよ。
まぁ、・・・それが何かとは恥ずかしくて言えないけど。
ではでは、今日も張り切って頑張りましょー。
そんな、今日の簡素な喫茶店。

今日の一押し。